ロータリーミキサー最高の音を出す方法


ロータリーミキサーから最高の音質を得るには、正しいセッティングが必要となってきます。各メーカーごとに仕様に若干の違いがありますので、それらを把握することがポイントです。

共通して理解しておくべき項目は以下になります。

  1. リニア電源の使用
  2. コンセントの極性を合わせる
  3. ターンテーブルを使用する時はアース線を接続
  4. ケーブルの使い分け
  5. 電源の入れる順番
  6. ウォーミングアップ
  7. ミキサーのユニティーゲインを知る
  8. メーターポジション
  9. 各チャンネルEQとマスターアイソレーターの違い
  10. エフェクターを使用するためのセンド&リターン

それでは各項目ごとにチェックしていきましょう。

リニア電源を使用


ミキサーによっては、リニア電源、またはリニアPSU(Linear Power Supply Unit)と呼ばれる電源が付属してます。※オプション料金で付けることが出来るメーカーもあります。

リニア電源とは一定の電圧の直流電流を出力する装置のことで、一般的なスイッチング電源と比べて、ノイズが少なく、ミキサーの音質アップに効果があります。

実際に聴き比べても、はっきりと違いが分かるぐらい音質がアップするので、 利用できる場合はマストと言えるアイテムです。

リニア電源
CondesaのリニアPSU

コンセントの極性を合わせる


オーディオ機器の電源プラグをコンセントの極性を合わせて差すことで、ノイズが減り音質がアップします。

コンセントの穴にはHotとColdという違いがあり、Hotがプラス(+)、Coldがマイナス(-)という極性を持ちます。電流はプラスからマイナスに流れるため、コンセントの穴にも電流の向きがあり、極性に合わせてプラグを挿す必要があります。

見分け方はコンセントの穴が縦に長い方がCold、短い方がHotになります。また、コンセントの穴が縦に長い方に「W」又は「N」と表記されている場合があり、プラグ側も同様によく見ると「N」や「△」など、文字や記号で表記されていることがあります。

正確に調べるためには検電テスターと呼ばれる機器が必要になります。

コンセント

ターンテーブルを使用する時はアース線を接続


アナログターンテーブルを利用する時は、ミキサーにアース線を接続する必要があります。

アース線には、

  • 電気を地面に逃して感電を防止する
  • 静電気やノイズを発生させないようにしてくれる

という役割があり、接続し忘れると「ブーン」といったハムノイズが発生します。

アース線
アース線

ケーブルの使い分け


ミキサーによって、使用するケーブルの種類が違います。

メイン出力には「XLR」が使用されることが多いですが、「TRS」、「TS」、「RCA」など、ミキサー以外にもエフェクター、オーディオインターフェース、コンポ、アンプなど、接続先によって使用する形状が変わります。

ケーブルの長さが2〜3m程度の短い距離の時は「RCA」でも構いませんが、ミキサーとスピーカーの位置が離れていて長いケーブルが必要な時は、なるべく「XLR」か「TRS」のケーブルを使用しましょう。「XLR」と「TRS」はバランス接続のため、ノイズ対策に優れているからです。

無理して超高級なケーブルを使用する必要はありませんが、ケーブルによって音質は結構変わるので、BELDEN社の8412など、ある程度しっかりした品質のケーブルの使用をおすすめします。

電源の入れる順番


電源を入れる順番を覚えておくことで、スピーカーや機器の損傷のリスクを回避することが出来ます。

  1. 全ての配線を終える
  2. ミキサーの電源を入れる
  3. アンプの電源を入れる(使用している場合)
  4. スピーカーの電源を入れる

電源をオフにする時は、逆の順番になり、スピーカー → アンプ → ミキサーの順に電源を落としていきます。

ウォーミングアップ


アナログミキサーは電源投入後、ウォーミングアップが必要です。

特にディスクリートクラスA回路のミキサーは性質上、ウォームアップに時間がかかり、すべての電圧が安定するまでに5~10分を要します。

電源投入後、すぐに音は出ますが、より良い音のためには少しウォーミングアップの時間を設けた方がよいでしょう。

ミキサーのユニティーゲインを知る

ユニティーゲインとは、入力信号と出力信号が1:1になる状態のことです。

アナログミキサーはデジタルミキサーとは違い、フェーダーの位置によって音質の変化が大きいです。各メーカーはフェーダーにユニティーゲインとなる位置を設定しており、フェーダーをその位置に合わせることで最も良い音が出るようになっています。

ユニティーゲインより小さいとパンチのない音の傾向になり、大きくても歪んだり、ノイズが増える傾向になります。

個別のフェーダーのユニティーゲインはそれぞれ以下になります。

  • Radius 4V : 10(フェーダーを回し切った位置)
  • Carmen V : 7.5(個人的には6.5〜7がベストに感じます)
  • AR-4 : 7
  • E&S : 6.5

マスターフェーダーのユニティーゲインに関しては、メーカーによって明記されている場合とそうでない場合があります。ユーザーがどのくらいの音を出せる環境かによって変わるため、基本的にはマスターフェーダーは任意の位置で問題ありません。

また、最終的なポジションは自分の耳で判断するのが良いことは言うまでもありません。

メーターポジション

ミキサーには、VUメーターやデジタルのPEAKメーターが付いています。

アナログミキサーはヘッドルームに余裕を持って設計されていますので、0dBを少しぐらい超えても問題ありません。VUメーターの場合は針が0dBを超えないギリギリの位置、PEAKメーターの場合は赤色にならないギリギリの位置で緑色をキープするのが良いでしょう。

楽曲にパンチが無さすぎた時に、あえて赤色に突っ込んで、軽く歪ませて迫力を出すような使い方はありますが、基本的には赤色はオーバーレベルなので、超えた量に応じて少しずつ歪みが生じるため、ピュアな音質からは遠ざかることになります。

peak meter
Peakメーター
VU meter
VUメーター

各チャンネルEQとマスターアイソレーターの違い

DJ用のアナログミキサーには各チャンネルに音質補正用のEQ、マスターチャンネルにアイソレーターが備わっていることがほとんどです。

ロー、ミッド、ハイの3バンドで構成されていることが多く、EQは帯域ごとにプラス方向に+6〜12dB、マイナス方向に−12〜24dBぐらいが一般的ですが、アイソレーターでは帯域ごとに完全に音をカットすることが出来るという違いがあります。

EQでは音質の補正、改善が主な用途ですが、アイソレーターは音の抜き差しで、楽曲に変化を生じさせるなど、エフェクター的な使い方が主となっています。

その設計の違いからEQよりもアイソレーターの方が位相歪を生じ、音質劣化に繋がるため、Condesa Carmen Vのように使用しない時はバイパス出来る機種もあります。

通常、音質の補正にはEQを用いた方が、音質劣化が少なくて済みますが、Rane MP2015はEQで調整するよりもフィルターやアイソレーターで補正した方が音が良いです。

Rane MP2015のように特殊なケースもあるので、実際には耳で判断する必要があります。

エフェクターを使用するためのセンド&リターン


アナログミキサーには、デジタルミキサーのようにエフェクターが内蔵されていないため、外部エフェクターに音を送って、エフェクト音をミキサーに戻してくるセンド&リターンという機能が備わっています。

各ミキサーによってセンド&リターンの方法が違うため、注意を払う必要があります。

例えば、Bozak AR-4ではセンド&リターンというより、インサートエフェクトのような内部回路となっているため、エフェクター側でドライとウェットのようにエフェクト量をコントロール出来る機種でないとエフェクトが掛かりっぱなしになってしまいます。また、バイパス機能もないので、エフェクターを使わない時も常時エフェクター内部を通過することになるため、音質劣化を避けることが出来ません。

Mastersounds Radius 4ではオリジナルのマルチエフェクターが用意されていますが、こちらも特殊な設計になっており、センド&リターンを使用すると多少の音質劣化が起こります。しかし、バイパス機能があるので、エフェクト未使用時にはオフに出来ます。

このように、メーカーによっては単純なセンド&リターンになっておらず、エフェクト音を求める代わりに多少の音質を犠牲にする必要があるトレードオフの関係になっていることがあります。

まとめ


ミキサーの製作者によって設計思想が異なるため、ロータリミキサーから良い音を出すためには、まずはミキサーの特徴をしっかり掴むことが大事と言えます。

詳しいセッティング方法については、当店の各レンタル商品ページからマニュアルがダウンロード出来るようになっているので、そちらを参考にしてみてください。